【BL】SAY YOU LOVE ME


「それじゃあ、まず詳しいことを私から説明します」


遠山がメンバーを見渡した。



「涼の声の調子が悪かったことは皆知ってると思うけど…今日病院へ行ってきました。より詳しい検査は今週また予定していますが、涼の喉には明らかな異変があります」


そこまで遠山が言い切った時、全員がため息ともつかないものを漏らした。



「異変というのは?」


社長が遠山を見やる。



「分かりません…素人目にはなんとも。レントゲンには影みたいなものが映っているんですが」



「だけど、別に深刻じゃないんだろう?」



遠山じゃなく、オレを見てKouは言った。



オレは頷きも首を振ることも出来ない。



「最悪。喉に出来たものが悪性だったら…涼は声を失うし、引いては―――」








全員が頭を抱えた。



オレにはそれが、大事な時にヘマをしたオレへの怒りのように感じられた。


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