【BL】SAY YOU LOVE ME
ママはすっかり"昼の人"に様変わりしていたのだ。
「ここの事、みつるの御両親に教えて頂いたの。随分恨まれたわ。あの子が何をしていたか知らなかったのね。だけど学校にも行かず引きこもっていたあの子が、私の店に出入りするようになって明るくなったことには感謝された。毎日楽しそうだったって」
しんみりと墓石に向かってママが語りかける。
「みつる、ミナトが来てくれたわよ」
ママと僕の持ってきた花束で墓石は埋め尽くされた。
「まあキレイ」
杓子で水をかけ石を拭いた。
【菊川家先祖代々之墓】
と書かれている。
「きくかわ…」
思わずつぶやいた僕にママがクスっと笑った。
「そうよ。菊川光彦がみつるの本名よ。」
「なんだか…知らない人のことみたいだ……」
「そうねえ……」
それから線香を上げ僕達はみっちゃんの墓参りを終えた。
「ミナト、時間があったらどこか入らない?」
ママに誘われ喫茶店に入った。
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