【BL】SAY YOU LOVE ME




10分足らずで扉は開かれた。


「じゃ、気をつけてよ」

先程の警察官らしき男の声がして、その言葉に黙って会釈した少年は歩道と逆に向かって歩き出した。



警察官がその後ろ姿を暫し見送り扉を閉めようとした時、オレに気づいてまた少し扉を開けた。



「どうかされました?」

訝しげに顔を覗き込んでくる。


深く被った帽子が怪しく見えたのだろう。



「いえ、道を尋ねようと思いましたが分かりましたので。」


オレは早口で言い訳すると少年を追いかけた。



その自分を警官がまだ見ているであろう視線を感じ、もう少し歩いてからにしようと後をつけ始めた。




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