【BL】SAY YOU LOVE ME
ミナトはゴシゴシと手を拭い、オレの手を大事そうに両手で握った。
小さくて柔らかい指に何故かドキリとした。
「あの、涼さん……?」
手を握ったまま、至近距離でミナトはオレを見上げた。
眉を寄せて、表情が曇っている。
「ん?」
「声、どうかしたんですか?風邪引いてるんじゃないですか?」
反射的にオレは手を振り解いていた。
「あ――ゴメンナサイ」
泣きそうにミナトが顔を赤らめた。
「ヤ、こっちこそ悪い!そーなんだ風邪引きなのにうっかり移すとこだった!」
急いで言い訳して取り繕った。
動悸が激しい。
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