【BL】SAY YOU LOVE ME



顔が真っ赤になり、声が上ずり震え、背中に汗が伝った。





音程なんて分からない。
ただ記憶の歌詞を必死に追いながら、それでも自分が今どんなにみっともないかは自覚していた。





ただ情けなくて恥ずかしい。







涼さんがサビまで歌い終えた僕を見て演奏を止めた。




「―――――ごめんな急に
あのさ、ミナトくんはカラオケとか好きなの?」




運動した訳でもないのに、僕は肩で息をしていた。


「カラオケ………って、…行ったこと……ないです」



ハアハア言ってる。



涼さんが笑ってギターを持ち上げると、座っていた椅子に僕を座らせてくれた。




「そうかぁ………
かなり、上手いじゃん?
歌い方もオレ好きだな…」




.
< 99 / 230 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop