【BL】SAY YOU LOVE ME
顔が真っ赤になり、声が上ずり震え、背中に汗が伝った。
音程なんて分からない。
ただ記憶の歌詞を必死に追いながら、それでも自分が今どんなにみっともないかは自覚していた。
ただ情けなくて恥ずかしい。
涼さんがサビまで歌い終えた僕を見て演奏を止めた。
「―――――ごめんな急に
あのさ、ミナトくんはカラオケとか好きなの?」
運動した訳でもないのに、僕は肩で息をしていた。
「カラオケ………って、…行ったこと……ないです」
ハアハア言ってる。
涼さんが笑ってギターを持ち上げると、座っていた椅子に僕を座らせてくれた。
「そうかぁ………
かなり、上手いじゃん?
歌い方もオレ好きだな…」
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