元皇女なのはヒミツです!





 翌日もフレデリック様とオスカー様に話し掛けられた。
 本当はとっても嬉しいことだけど、しばらくは大人しくしておいたほうが良さそうなので挨拶のみでお別れしようと思っていたのだが、意外にも二人から引き止められた。

「実は今日は君に頼みがあるんだ」

「頼み、ですか?」

 私は目を丸くする。平民に頼みなんて……別に命令で構わないのに。でもこういうところがフレデリック様の優しい人柄が出ている気がするわ。
 フレデリック様はオスカー様に目配せしてから、

「良かったら君も生徒会に入らないか?」

「…………」

 私は意外なお誘いに驚きのあまり目を見開いてしばらく硬直した。
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