元皇女なのはヒミツです!

 魔法学園の生徒会は指名制だ。生徒会が相応しいと思う人物に声を掛ける。
 そして基本的には高位貴族の子女を勧誘している。なぜなら、彼らは将来国を動かす中枢に立つので学園いう小さな規模の運営は未来の予行練習にもなるし、高位貴族同士で若い今のうちから交流をしておこう、という意図もあるのだ。現にセルゲイは入学早々に誘われて、今では彼も生徒会の一員だ。
 稀に下位貴族も生徒会に入ることもあるが、その場合は事業などで実家が経済的に力を持っていたり、飛び切りに成績が良いか、だ。

 私が逡巡していると、

「ほら、君は特待生で入学以来ずっと実技試験も筆記試験も一位だろう? 優秀な生徒には是非生徒会に入って欲しいんだ。今年は男爵令息と子爵令嬢もいるから、そんなに肩身の狭い思いはしないと思うから」

「でっ……」やっと声が出た。「ですが、私は平民ですので……」

「そんな、気にすることはないよ。僕は実力のある者は身分に関係なく活躍して欲しいと思っているんだ」

「俺からも頼むよ、リナ嬢」
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