元皇女なのはヒミツです!
最近は定食屋の仕事を増やしていた。
狩り大会以来、令嬢たちの嫌がらせは更に加速して、破壊されて使い物にならなくなる私物も増えていった。制服も予備に購入したし、教科書も数冊買い直した。金銭的な負担は大きかった。
平民にできる仕事は限られている。その僅かな仕事も高い賃金は望めない。だから、時間を犠牲にして仕事の量を増やすしかない。
ちょうど掛け持ちでなにか他の仕事もないか探していたところだ。それに加えて生徒会の仕事なんて身体が持たないわ。
――そんなことをセルゲイとオリヴィアに話していたら、ある日それを聞きつけたらしいアルフィー先生から新しい仕事をやらないかと話を持ち掛けられた。それは短時間で実入りがよくて、今の私にお誂え向きの仕事らしい。
「リナ君、貴族の令嬢の魔法の家庭教師をしないか?」