元皇女なのはヒミツです!

28 嵐のあとで

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「あの女、本っ当にむかつく! 大っ嫌い!!」

 リナがシェフィールド公爵家を離れたあと、フレデリックとアメリアは庭に出て二人だけのお茶会をしていた。
 フレデリックは週に二、三度はこの小さなお姫様のもとに遊びに行っていて、二人は実の兄妹のように仲良くしていたのだった。

 アメリアは終始ご機嫌ななめで、ずるずるとお茶を飲みながら「あの女が、あの女が」と、ずっとリナのことを腐していた。

「もう、あの女嫌い! ねぇ、フレディお兄様からお父様にあの女を首にするように言って!」

「そんなこと言ったってアミィはとっても楽しそうに魔法の練習をしていたじゃないか」

「全っっっ然っっ、楽しくなかったわ! あの女、わたしのことを醜いなんて言うのよ! 酷いと思わない?」

「醜い?」フレデリックは目を丸くして「こんなに可愛いアミィが醜いなんて、またなんで?」

「わたしが公爵令嬢という立場を利用してやりたい放題してるって。それは醜いことなんだって!」と吐き捨てるように言って、アメリアはカップをガチャリと雑に置いた。

「それは……言葉は悪いかもしれないけど、リナ嬢の言い分も間違ってはいないと思うよ」
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