元皇女なのはヒミツです!
私はあのあと、すぐさまセルゲイにアメリア様と二人のお茶会での事の顛末を話した。彼からはすっごく怒られたけど、彼女がエカチェリーナ捜索を諦めるように協力してくれることになった。
そして今日は、私がこれ以上襤褸を出さないように彼も付いて来てくれたのだった。
表向きは彼も旧帝国民として皇女捜索に協力したいと志願してやって来たということになっているが、実のところはアメリア様にエカチェリーナのことを諦めてもらうために上手いこと誘導しようと今日は参加したのだ。
でも、彼女は意外に勘が鋭いのよね……。用心するに越したことはないわ。
アメリア様とセルゲイは意外にも出会ってすぐに意気投合して、まるで昔からの友人のように仲良くしていた。彼女は今もぎゅっと彼の手を握っている。
さすが美形のセルゲイ、相変わらず令嬢の心を掴むのに長けているわ。恐ろしい。
オリヴィアの話によると、公爵家の三男の彼はリーズ国内のいくつかの貴族から婿養子にならないかと声を掛けられているらしい。この様子だとその列にシェフィールド家が加わる日も近いかもしれない。