元皇女なのはヒミツです!

「今日はフレディお兄様とエカチェリーナ様を探しに行っていたの」

「ええぇっ!!」

 仰天して覚えず大きな声が出た。ま、まだ諦めていなかったんだ……。

「あぁ、エカチェリーナという子は僕の婚約者なんだけど」と、フレデリック様が付け加える。もちろん知っています。

「アミィから婚約者はリーズ国内にいるんじゃないかって言われたんだ。はじめは信じられなかったけど、僕もそれに賭けてみようと思って。実はストロガノフ家に協力してもらって連邦国内を虱潰しに捜索したんだが、残念ながら全く成果がなくてね」

「そうなのですね……」

 もう、なんて言葉を返せばいいのか分からない。彼らに嘘をついている罪悪感やもどかしい気持ちで、心の中は不協和音のように混沌としていた。

「絶対に国内にいるはずよ。女の勘よ」と、アメリア様はすまし顔で言い放つ。小さなお姫様の大人ぶった態度に私もフレデリック様も思わず微笑を浮かべた。

「二人してなに笑っているのよ」と、アメリア様が口を尖らせた折も折、

 ――ぐぅぅぅ~……。
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