元皇女なのはヒミツです!
彼女のお腹が鳴った。たちまち顔を真っ赤にさせて、
「いっぱい歩いたらお腹が空いちゃったの……」と、消え入るような小声で呟いた。
フレデリック様はくすりと笑って、
「リナ嬢、なにかお薦めのメニューを二人分頼む」
「かしこまりました。――ええと、アメリア様は嫌いな食べ物はなにかありますか?」
「タマネギとニンジンとピーマンは止めなさい」
「……多いですねぇ。これからちゃんと食べられるように練習しないといけませんね」
「好き嫌いせずに全部食べなさいって言ってもいつも残すんだよ」
「わたしに食べて欲しかったら作る人間が料理の腕を上げる努力をすべきだわ」
「ふふっ、分かりました。では、少々お待ちくださいませ」と、私は厨房へと入って行った。