元皇女なのはヒミツです!



「お待たせいたしました」

「うわぁ……! ハンバーグ!」

「お二人のお口に合うと良いのですが……」

「リナ嬢が作ったのか? 美味しそうだね」

「はい……」

 フレデリック様とアメリア様はフォークとナイフを手にする。私は固唾を呑んでその様子を見守った。

「すっごく美味しい!」

「うん、美味しいね!」

 私は平静を装っていたが、本音は嬉しさで胸がはち切れそうだった。緩みそうになる口元を必死で引き締める。
 フレデリック様が私の作った料理を食べてくださっている。手紙で約束したスミレの砂糖漬けではないけど、彼が自分の手料理を口にしてくれたことは込み上げてくるものがあった。

「「ごちそうさま」」

 二人ともパクパクと口に運んであっという間に完食した。私はほっと胸を撫で下ろす。とりあえずは不味くはなかったようで、一安心だわ……。
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