元皇女なのはヒミツです!
「「…………」」
フレデリック様もアメリア様も唖然として私を見た。
私ははっと我に返る。
しまった……! 平民がなに偉そうに王族を説教しているのかしら。けじめがないのは私のほうだわ。これは不味い……。
「もっ、申し訳ありませんでした!!」私は床に付きそうなくらい深々と頭を下げた。「出過ぎた真似をしてしまいました!」
背筋が凍る。これは……下手すればギロチン送りものだわ。あぁっ、護衛の視線が痛い!
「いや……」しばらくして、フレデリック様が口を開いた。「君の言う通りだ。僕たちが調子に乗りすぎた。友人だからってつい甘えてしまったね。済まない」
「わたしもお友達の前だから身分を忘れてしまっちゃってたわ……ごめんなさい」
「ゆっ……友人……」
私は目を丸くした。
王太子と公爵令嬢からそんな風に言われるなんて、恐れ多い。でも、嬉しい……。
「僕たちはもう友人だろ?」と、フレデリック様は首を傾げる。
「そうよ。リナはわたしのお友達よ」
「アミィにとっては先生だろ?」
「違うもん! わたしたちは親友なの!」
「ふふっ、そう思ってくださるなんて光栄です。ありがとうございます」
「いや、こちらこそ。僕たちに間違いを厳しく指摘してくれてありがたい。――その、アミィから聞いたけど君は元貴族だって?」
卒然と激しい頭痛がした。はぁ……そんな設定あったわよね。