元皇女なのはヒミツです!

35 お茶会へ出発

 アメリア様が招待された大きなお茶会とは、フローレンス・フォード侯爵令嬢の主催するお茶会だった。
 侯爵令嬢は王都にいる全ての貴族の子女に招待状を出したらしい。グレースやオリヴィアや、更には連邦国貴族のセルゲイまでも誘われていた。
 もちろん、フレデリック様も……。彼は本音は行きたくないけど可愛い従妹の社交界プチデビューを見守るためにも招待を受けることにしたそうだ。

 私は朝からシェフィールド公爵家へ赴いて、ドレスを着飾る準備で忙しかった。
 公爵閣下は今日のために新しいドレスを用意してくれた。私は付添人なので、さすがに令嬢のような華やかなデザインではないけれど、それでも凄く上質な生地だと一目で分かるものだった。平民が着てもいいのかしらと不安になるくらいだったわ。

 しかも公爵家のメイドたちが着用の前に全身の手入れをしてくれたり、お化粧や髪型のセットもしっかりやってくれて、至れり尽くせりでずっと恐縮しっぱなしで既にもう疲れてしまった。皇女時代は毎日のようにこんな風に丁寧に手入れされていたけど、あのときの私はよく平気だったわね……。
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