元皇女なのはヒミツです!
「リナ、お待たせ! どうかしら?」
「アメリア様! とっても可愛らしいです!」
すっかり準備の整ったアメリア様が私の前で嬉しそうにくるりと回ってみせた。今日は水色と白を基調にしたドレスで、リボンやフリルがいっぱいで幼い彼女のピュアな可愛さを存分に引き出していた。
「ま、当然ね。リナもとっても素敵! ……だけど、ちょっと地味ねぇ」と、アメリア様はしげしげと私のドレスを見つめる。今日はモスグリーンとベージュのドレスで、露出も皆無で装飾も控えめだった。
「私は付添人ですから、これくらいで丁度いいのですよ。見てくれは地味かもしれませんが、素材は一級品で、素敵なドレスを用意してくださった公爵閣下に感謝の気持ちでいっぱいです」
「ふぅん……わたしは生地とかよく分からないけど、リナが気に入ってくれたのなら別にいいわ」
「はい。アメリア様もこれから勉強すればだんだんと分かっていきますよ」