元皇女なのはヒミツです!


「二人とも、準備はできた?」

 そのとき、フレデリック様が部屋に入って来た。
 今日は彼も一緒に馬車に乗って侯爵邸へと向かうのだ。彼は王子様らしく白を基調とした服装で、差し色にアメリア様と同じ青系を持ってきていていた。

「フレディお兄様!」と、アメリア様がピョンと跳ねながら彼に飛び付いた。

「今日はお二人で衣装を合わせていらっしゃるんですね。兄妹みたいでとっても素敵です」

「ありがとう、従妹の大事なプチデビューの日だからね。二人とも、とても綺麗だよ」

「まぁね」

「恐れ入ります、殿下」

「さ、行こうか。小さなお姫様」と、フレデリック様はアメリア様の手を取った。私は彼らの後ろを静かに歩いて行く。

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