元皇女なのはヒミツです!
それでも、生きているだけで幸運だったのかもしれない。私以外の家族は全員死んでしまったから。命が途絶えたらそこで全てが停止してやがて朽ち果てて、もうここにはなにも残らないもの。
私は公式発表では死んだことになっていたけど、革命軍の幹部の一人だったアレクセイさんに保護されて今日までなんとか生かしてもらっていた。
まだ未成年皇族だった私の顔を知る人は少ないが、それでも帝国の皇女の存命が露見すると命を狙われる可能性が高いとのことで、革命から一年経った今でもアレクセイさんのお屋敷に軟禁状態だった。といっても、お屋敷は皇宮の侍女たちの部屋並みには広かったし外部から見えない中庭もあったので不自由には感じなかった。ま、私は保護される直前の一ヶ月間お城の地下牢に閉じ込められていたから、そこに比べたらどこだって天国に感じるのかもしれないけど。