元皇女なのはヒミツです!
45 大切なもの
グレースは結局その日は授業に出てこなかった。
放課後、ジェシカとデイジーは彼女の住む王都の屋敷へ向かうことにした。
私とセルゲイも付いて行きたかったけど、今朝グレースと大喧嘩したばかりで彼女がまだ冷静に話せないかもしれないので、残念だけど今回は二人に任せることにした。
私もセルゲイも沈んだ気持ちでとぼとぼと帰路についた。
二人とも自然と無言になる。今日はずっとグレースのことを考えていて、授業も全然身が入らなかった。きっとセルゲイも同じだったと思う。彼も今日は終始ぼんやりしていて、なにやら考えごとをしているようだった。
「……ごめんね、セルゲイ」と、私はポツリと呟いた。
「なんでリナが謝るんだよ」
「だって、私のせいでセルゲイまでグレースと喧嘩しちゃったじゃない。本当に申し訳ないわ」
「別にリナのせいじゃない」
「でも――」
「そう自分を責めるな。リーズに来たのは俺自身の意思だ」
「そっか……」
放課後、ジェシカとデイジーは彼女の住む王都の屋敷へ向かうことにした。
私とセルゲイも付いて行きたかったけど、今朝グレースと大喧嘩したばかりで彼女がまだ冷静に話せないかもしれないので、残念だけど今回は二人に任せることにした。
私もセルゲイも沈んだ気持ちでとぼとぼと帰路についた。
二人とも自然と無言になる。今日はずっとグレースのことを考えていて、授業も全然身が入らなかった。きっとセルゲイも同じだったと思う。彼も今日は終始ぼんやりしていて、なにやら考えごとをしているようだった。
「……ごめんね、セルゲイ」と、私はポツリと呟いた。
「なんでリナが謝るんだよ」
「だって、私のせいでセルゲイまでグレースと喧嘩しちゃったじゃない。本当に申し訳ないわ」
「別にリナのせいじゃない」
「でも――」
「そう自分を責めるな。リーズに来たのは俺自身の意思だ」
「そっか……」