元皇女なのはヒミツです!
セルゲイは心配してくれているのか、私の部屋の前まで送ってくれた。
「セルゲイ、今日は本当にありがとう。リーズに来てから、あなたには助けてもらってばかりで感謝してもしきれないわね」
「いや、これくらい当然のことだ」彼はちょっと戸惑う素振りを見せてから「……その、疲れているところ悪いが、少し話をしてもいいか?」と、なにやら深刻そうな顔つきで尋ねた。
私は目を丸くして、
「別に構わないけど……どうしたの? とりあえず入って。お茶でもいれるわ」
「ありがとう」
セルゲイは部屋の中に入って静かに扉を閉じる。
そして、
「きゃっ!」
出し抜けに私を抱きしめた。
「な、なに……?」
私は戸惑いながら彼を見上げる。
セルゲイも私をじっと見つめ返した。
「リナ……俺は君が好きだ」