元皇女なのはヒミツです!
6 想定外の出会い
セルゲイ・ミハイロヴィチ・ストロガノフ公爵令息。
アレクサンドル連邦国で国一番の名門貴族のストロガノフ公爵家の三男だ。
彼は私と同い年で、一時は私の婚約者候補だった令息だ。なので宮廷では何度かお茶を一緒にしたことがあって、数少ない私の顔を知る貴族の一人だった。
公爵令息は驚いた表情をしながら二三度ばかり顔を上下にして私を見た。私も不意のことで狼狽をして、声にならない悲鳴を上げながらじりじりと後ろに下がる。
どうすればいい? このまま逃げる?
いえ、彼がここにいるということはきっと入学試験を受けていたことだろうから、ここで逃亡に成功しても入学したら嫌でも顔を合わせることになる。大勢の前で騒がれるよりも今ここで話を付けたほうが得策かもしれない。
アレクサンドル連邦国で国一番の名門貴族のストロガノフ公爵家の三男だ。
彼は私と同い年で、一時は私の婚約者候補だった令息だ。なので宮廷では何度かお茶を一緒にしたことがあって、数少ない私の顔を知る貴族の一人だった。
公爵令息は驚いた表情をしながら二三度ばかり顔を上下にして私を見た。私も不意のことで狼狽をして、声にならない悲鳴を上げながらじりじりと後ろに下がる。
どうすればいい? このまま逃げる?
いえ、彼がここにいるということはきっと入学試験を受けていたことだろうから、ここで逃亡に成功しても入学したら嫌でも顔を合わせることになる。大勢の前で騒がれるよりも今ここで話を付けたほうが得策かもしれない。