元皇女なのはヒミツです!
53 光差す道へ①
◆◆◆
静寂な夜の中で馬蹄の音だけが鳴り響いていた。
馬上のフレデリックはじれったい気持ちで手綱をさばく。闇夜の冷たい追い風が彼を急かした。もはや悠長に馬車なんて乗っている時間はない。早く……早くリーナに会いたい。
準備は整った。
アレクセイ・アレクセイヴィチ・カトコフ副大統領とは、あの後じっくり話し合って今後の方針を決めた。
連邦の名だたる高位貴族たちも抑えた。彼らは王太子妃エカチェリーナの強固な後ろ盾になってくれることだろう。
あとは……あの侯爵令嬢だ。
光魔法の使い手である自分と従妹が本能的に拒絶するあの令嬢……秘密裏に独自で徹底的に調べさせてもらった。あちら側も鉄壁な守りでなかなか進まなかったが、やっと糸口を掴んだ。これで婚約破棄まで持ち込めるはずだ。
静寂な夜の中で馬蹄の音だけが鳴り響いていた。
馬上のフレデリックはじれったい気持ちで手綱をさばく。闇夜の冷たい追い風が彼を急かした。もはや悠長に馬車なんて乗っている時間はない。早く……早くリーナに会いたい。
準備は整った。
アレクセイ・アレクセイヴィチ・カトコフ副大統領とは、あの後じっくり話し合って今後の方針を決めた。
連邦の名だたる高位貴族たちも抑えた。彼らは王太子妃エカチェリーナの強固な後ろ盾になってくれることだろう。
あとは……あの侯爵令嬢だ。
光魔法の使い手である自分と従妹が本能的に拒絶するあの令嬢……秘密裏に独自で徹底的に調べさせてもらった。あちら側も鉄壁な守りでなかなか進まなかったが、やっと糸口を掴んだ。これで婚約破棄まで持ち込めるはずだ。