元皇女なのはヒミツです!
55 光差す道へ③
私はオリヴィアに手を引かれて、彼女に導かれるままに前へ進む。
さっきから二人とも無言で、二つの足音だけが重々しく会話をしていた。心なしか、お祭の中心部からどんどん離れていっている気がするんだけど……。
「ねぇ、オリヴィア。ハートの噴水は反対方向だと思うんだけど……」
私はしびれを切らしてオリヴィアに問いかけた。
彼女はにっこりと笑って、
「えぇ。こっちでいいのよ」とだけ答えてまた黙り込む。私は一抹の不安を覚えながらも彼女に付いていった。
そして、
「えっと……ここが、噴水……?」
私は目をぱちくりさせた。彼女から連れて来られた場所は、街外れにある古めかしい屋敷だったのだ。
いえ……古いというか廃墟のような様子で、かつては豪奢だったと思わせる建物が長年野ざらしにされて、ところどころ朽ち果てて今にも亡霊が出そうな雰囲気を醸し出していた。
さっきから二人とも無言で、二つの足音だけが重々しく会話をしていた。心なしか、お祭の中心部からどんどん離れていっている気がするんだけど……。
「ねぇ、オリヴィア。ハートの噴水は反対方向だと思うんだけど……」
私はしびれを切らしてオリヴィアに問いかけた。
彼女はにっこりと笑って、
「えぇ。こっちでいいのよ」とだけ答えてまた黙り込む。私は一抹の不安を覚えながらも彼女に付いていった。
そして、
「えっと……ここが、噴水……?」
私は目をぱちくりさせた。彼女から連れて来られた場所は、街外れにある古めかしい屋敷だったのだ。
いえ……古いというか廃墟のような様子で、かつては豪奢だったと思わせる建物が長年野ざらしにされて、ところどころ朽ち果てて今にも亡霊が出そうな雰囲気を醸し出していた。