元皇女なのはヒミツです!
フローレンス様はくすりと笑って、
「わたくしはこれから王太子殿下と婚約式があるの。だから、その前にエカチェリーナ様に挨拶をしようと思って」
「なっ……!?」私は目を見張った。「知って、いたの……?」
冷や汗が流れる。そのことをいつ知られたの? セルゲイとグレース以外に口外していないのに……。
それに、これからフレデリック様と婚約式って、どういうこと……?
「知っていた、ですって……?」フローレンス様に代わってオリヴィアが口を開いた。「本当にリナはエカチェリーナ様だったのね。ずっとわたしのことを騙していたんだ……」
「ち、違うわっ!」私は全力で否定をする。「私はオリヴィアを騙すつもりなんてない! ただ、政治的な問題があるので周囲に漏らさないようにって連邦国から言われていただけよ!」
「じゃあっ!」オリヴィアは負けずに大音声で叫ぶ。「じゃあ……なんでグレースは知っていたの!? あんなにリナに意地悪をしていた彼女が秘密を知っていて、入学以来ずっと友達だったわたしには、なんで教えてくれなかったの!?」