元皇女なのはヒミツです!
「やっぱり、リナを嵌めようとしたんですね」
私の言葉を遮るように、オリヴィアが低く声を上げた。
「は……?」侯爵令嬢は僅かに目を見開く。
「最初からおかしいと思ったんです。なんでリナをちょっと懲らしめるために歴史的にも貴重な皇家の首飾りが必要なのか。わたしと彼女を仲違いさせるだけなら、そんなもの必要ない」
「なにをおっしゃっているの? わたくしは、あなたのために――」
「いいえ、違うわ! あなたは最初からリナを貶めることが目的だった。それにわたしを利用しただけよ!」
オリヴィアはポケットからまたもや巾着袋を出して、中身を取り出す。
私は目を見張った。
彼女が持っているものは、まさしく――……、
「本物はここにあります。あなたが壊したものはレプリカよ!」