元皇女なのはヒミツです!
59 光差す道へ⑦
「僕のリーナになにをしている……!」
扉の前にはフレデリック様が立っていた。彼は氷のような冷酷な目つきで侯爵令嬢を見下ろす。その声音には激しい怒気が孕んでいた。
「フレデリック様!」
ぽとり、とさっきとは違う喜悦の涙が流れる。
彼が来てくれた。それだけで胸がいっぱいになって、涙にむせいだ。
フレデリック様は私のもとに駆け寄って跪いてから優しく起こしてくれる。
「リーナ、大丈夫? 痛かったね」と、回復魔法をかけてくれた。
淡い光が私を包み込んで、侯爵令嬢に傷付けられた傷がみるみる癒える。同時に、棘の刺さった心も温かさで膨らんで彼の優しさで満たされた気がした。
私は涙を拭いて、改めて彼と向き合う。彼の藍色の瞳が夜空のように微かに光っていた。
「リーナ……遅くなってごめん。やっと君を見つけた」
「フレデリック様……やっと……やっとお会いできましたね」
「あぁ」フレデリック様は私を強く抱き寄せた。「会いたかった」
またもや涙が頬を濡らす。
「私も……どんなにこの日を待ち望んでいたことか……」
私たちは見つめ合う。
フレデリック様の端正な顔がゆっくりと私に近付いいてくる。
私も、自然と瞳を閉じた。
扉の前にはフレデリック様が立っていた。彼は氷のような冷酷な目つきで侯爵令嬢を見下ろす。その声音には激しい怒気が孕んでいた。
「フレデリック様!」
ぽとり、とさっきとは違う喜悦の涙が流れる。
彼が来てくれた。それだけで胸がいっぱいになって、涙にむせいだ。
フレデリック様は私のもとに駆け寄って跪いてから優しく起こしてくれる。
「リーナ、大丈夫? 痛かったね」と、回復魔法をかけてくれた。
淡い光が私を包み込んで、侯爵令嬢に傷付けられた傷がみるみる癒える。同時に、棘の刺さった心も温かさで膨らんで彼の優しさで満たされた気がした。
私は涙を拭いて、改めて彼と向き合う。彼の藍色の瞳が夜空のように微かに光っていた。
「リーナ……遅くなってごめん。やっと君を見つけた」
「フレデリック様……やっと……やっとお会いできましたね」
「あぁ」フレデリック様は私を強く抱き寄せた。「会いたかった」
またもや涙が頬を濡らす。
「私も……どんなにこの日を待ち望んでいたことか……」
私たちは見つめ合う。
フレデリック様の端正な顔がゆっくりと私に近付いいてくる。
私も、自然と瞳を閉じた。