元皇女なのはヒミツです!


 そのとき、

「エカチェリーナ」

 フレデリック様は私の名前を呼んで、
 私が彼に顔を向けるとゆっくりと跪いて、
 熱の帯びた瞳で私を見つめながらそっと手を取って、

「僕と結婚していただけますか?」

 そう、囁いた。

「はい……」

 私ははにかみながら、頷く。


 すると彼は勢いよく立ち上がって私を抱き締めた。急に彼の顔が近付いてきて心臓が飛び上がりそうになった。

「あの、フレデリック様……?」

「なんだい?」

「念のため確認なのですが……その……私は今はもう平民なのですが、宜しいんでしょうか……?」
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