元皇女なのはヒミツです!
「あぁ、それなら問題ないよ。なぜなら――」
「大丈夫よ、リーナお姉様!」またぞろアミィが勢いよく私たちの間に割って入った。「前も言ったでしょう? シェフィールド家の養子になればいいわ! そうしたら、公爵令嬢として王家に輿入れすることができるし!」
「そうですわ、エカチェリーナ様!」続いてグレースが興奮した様子で叫んだ。「でもいきなり公爵家は難しいと思うので、その前にパッション伯爵家の養子になればいいわ!」
「だったら!」今度はオリヴィアが柄にもなく大声を上げた。「まずはミルズ男爵家がいいと思います! ねっ、リナ?」
「みんな……ありがとう!」
嬉しくて瞳に涙が滲んだ。リーズ王国に来てからの思い出が駆け巡る。
辛いこともあったけど、こんなにも素敵な友人たちができた。きっと皇女のままだったら今も狭い世界で、なにも知らないまま生きていたのかもしれない。私はなんて幸せ者なのだろう。