元皇女なのはヒミツです!
「あー、コホン!」と、フレデリック様が大仰に咳払いをした。「リーナ、安心してくれ。副大統領と話し合って、君は皇女エカチェリーナとして僕と結婚できるようにしたから。養子に出なくても大丈夫だよ」
「そうなのですか? アレクセイさんが……」
少し胸が痛んだ。アレクセイさんにはどれほど心労をかけたことだろうか。思えば、彼のおかげで私は生き延びられて、そして今がある。彼は私の命の恩人であり……もう一人のお父様だわ。
「ま、ほとんど僕が押し切ったんだけどね」と、フレデリック様はしたり顔をした。
「まぁっ、フレデリック様ったら。アレクセイさんの困り顔が目に浮かびますわ」
「いやぁ~、彼にはかなり無理を言ったからね」
「ふふっ」