元皇女なのはヒミツです!


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 すっかり辺りが薄暗くなってミルキーウェイ・リバーもポツポツとランタンの明かりが灯り始めた。
 私はフレデリック様にお願いをして、王宮へ戻る前にここに寄らせてもらったのだ。もちろん目的は彼と約束した恋人たちの儀式である。

 セルゲイはすっかり疲れて眠たくなってしまったアミィを連れて先にシェフィールド家へと向かった。オリヴィアとグレースも先に帰っていいって言ったのだけれど、なぜか付いてきた。

「エカチェリーナ様、あたしたちへこちらで見守っていますので!」

「どうぞお二人でごゆっくり」

「うん? ありがと? ――って、オリヴィアは子爵令息を呼んで来ないの?」

「いいの、いいの。また来年があるから」

「そう……?」

 私は首を傾げる。用がないのに、なんで二人とも付いて来たのかしら。よく分からないわ。
 二人はニマニマした妙な笑顔をこちらに向けていた。本当にどうしたのかしら?
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