元皇女なのはヒミツです!
そして、学園に着いて馬車から降りると、
「あ、あの、フレデリック様!」
「なんだい?」
「私、一人で歩けますので! 降ろしてください!」
「さっきは歩きづらいって言っていたじゃないか」
「も、もう大丈夫ですので!」
「う~ん、学園で悪い虫が付く危険性があるからこのまま教室へ向かおう」
結局、彼の腕の中から逃げることができなくて、私は教室まで恥ずかしい姿を晒しながら向かうはめになったのだった。
令嬢たちの黄色い声が聞こえる。物凄く好奇の目を向けられている。み、見ないで……。