元皇女なのはヒミツです!
教室に着くと、フレデリック様は私を椅子の上に丁寧に降ろしてから、床に膝を付いて着席した私を見上げた。
「ちょっ……フレデリック様!?」
「なんだい?」
「すぐに立ち上がってください! 王族が簡単に膝を付いてはいけません!」
「話が終わったらね。リーナ、二週間振りの学園だし、君の身分も明かされていろいろ大変だとは思うけど、負けずに頑張ってね。僕はいつも君の側にいるから」
「分かりました! 分かりましたから、早く立って!」
フレデリック様は私の手に口づけをしてから去って行った。周囲のクラスメイトたちがきゃあきゃあと騒いでいる。私はげっそりとして、頭を垂れた。