元皇女なのはヒミツです!



 そして昼休み。チャイムが鳴ると同時にフレデリック様がやって来て、私を王族専用のテラスに連れて行こうとまたぞろ抱きかかえようとした。
 私は慌てて立ち上がって、

「ひ、一人で歩けますから!」と、足早に目的地へと向かった。

 王族用の昼食は専属の料理人が作っていて、既にテーブルには様々な料理が並んでいた。

「さ、リーナ。いただこうか」

「あの……フレデリック様」

「なんだい?」

「この状態ですと食事ができません。降ろしてください」

 彼はいつの間にか膝の上に私を乗せて、がっちりと抱きかかえていたのだ。

「心配しないで? 僕が食べさせてあげるから」と、彼はおもむろにスプーンでポタージュをすくって、私の口元に持ってきた。

「自分一人で食べられますから!」

「もしリーナが喉を詰まらせたり火傷したりしたら大変だろう? さ、口を開けて」

「っ…………!!」
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