元皇女なのはヒミツです!
番外編
1 炎の道を行く(if・セルゲイ編)
【閲覧注意!】
※リナとセルゲイのハッピーエンドです
※本編とは整合性がとれない場面もあります
◇◇◇
セルゲイからの思いがけない告白から数日、私は彼とどう向き合っていいのか分からずに、なるべく関わらないようにしていた。
普通に話をしようとしても、あの日のことがにわかに頭を過ぎって言葉に詰まってしまう。彼の顔が視界に入ると、なんとも言えないむずむずした気持ちになって顔が上気する。おまけに心臓までバクバクと鳴って、私は落ち着かない日々を送っていた。
一方、セルゲイのほうは変わらずこれまでのように接してくれるんだけど、私があまりに挙動不審なものだから彼も話しかけるのを躊躇しているようで、私たちの関係はすっかりぎくしゃくしてしまっていた。
「ねぇ、セルゲイとなにかあったの?」
そんなとき、出し抜けにオリヴィアから単刀直入に尋ねられた。
「えっ!? ……っと、その……えっと、あの……」と、私は目を泳がせながらしどろもどろに答える。
オリヴィアはくすりと笑って、
「もしかして、セルゲイから愛の告白でもされた?」
見事に言い当てた。
「えぇっ!? えっと、その……うん…………」
私は顔を真っ赤にさせて、小さく頷いた。
「やっぱり。ここ数日のリナの彼への態度は明らかにおかしかったものね」
「えぇっ!? わ、分かる?」
「バレバレよ」と、彼女はくすくすと笑った。
「私……セルゲイからいきなり好きだって言われて、どう答えたらいいか分からなくて……。それで、つい彼のことを意識しちゃって、そうしたら今度は上手く話せなくて……」
「リナは返事はどう答えるつもりなの?」
「分からない……。セルゲイは仲のいい友達で……。そ、それに、私は他に好きな人が…………」
「それって王太子殿下?」
「なっ……!?」私は目を見開いて仰け反った。「なんで……分かるの!?」
「バレバレよ」と、彼女はため息をついた。「まぁ、王太子殿下に憧れるのも分かるわ。だって凄く格好いいし成績も優秀だし、それにこの国の王子様だなんて……きっと誰もが一度は殿下に夢中になるわね」
「いや……そういうことじゃなくて…………」
私は逡巡してふつりと口を噤んだ。果たしてあのことを言っていいものか、物凄く迷った。
セルゲイとグレースはたまたま私の秘密を知ったけれど、アレクセイさんからは口が裂けても喋るなってきつく言われているし……。
が…………、
ここは本当のことを打ち明けたほうがいいだろう。そうしないと、私の悩みの根本的なことをオリヴィアには理解できない。
それに、なにより彼女は一番信頼できる私の大親友なのだ。ちゃんと本当のことを話したほうがいいと思う。
……いいわよね?
でも、あとでセルゲイに「なんで喋ったんだ!」って怒られるかしら?
いえ……きっとオリヴィアだから大丈夫なはず。
私は勇気を奮い立たせて、オリヴィアの瞳をまっすぐに見つめながらトンと彼女の両肩を叩いた。
「オリヴィア……大事な話があるの」
※リナとセルゲイのハッピーエンドです
※本編とは整合性がとれない場面もあります
◇◇◇
セルゲイからの思いがけない告白から数日、私は彼とどう向き合っていいのか分からずに、なるべく関わらないようにしていた。
普通に話をしようとしても、あの日のことがにわかに頭を過ぎって言葉に詰まってしまう。彼の顔が視界に入ると、なんとも言えないむずむずした気持ちになって顔が上気する。おまけに心臓までバクバクと鳴って、私は落ち着かない日々を送っていた。
一方、セルゲイのほうは変わらずこれまでのように接してくれるんだけど、私があまりに挙動不審なものだから彼も話しかけるのを躊躇しているようで、私たちの関係はすっかりぎくしゃくしてしまっていた。
「ねぇ、セルゲイとなにかあったの?」
そんなとき、出し抜けにオリヴィアから単刀直入に尋ねられた。
「えっ!? ……っと、その……えっと、あの……」と、私は目を泳がせながらしどろもどろに答える。
オリヴィアはくすりと笑って、
「もしかして、セルゲイから愛の告白でもされた?」
見事に言い当てた。
「えぇっ!? えっと、その……うん…………」
私は顔を真っ赤にさせて、小さく頷いた。
「やっぱり。ここ数日のリナの彼への態度は明らかにおかしかったものね」
「えぇっ!? わ、分かる?」
「バレバレよ」と、彼女はくすくすと笑った。
「私……セルゲイからいきなり好きだって言われて、どう答えたらいいか分からなくて……。それで、つい彼のことを意識しちゃって、そうしたら今度は上手く話せなくて……」
「リナは返事はどう答えるつもりなの?」
「分からない……。セルゲイは仲のいい友達で……。そ、それに、私は他に好きな人が…………」
「それって王太子殿下?」
「なっ……!?」私は目を見開いて仰け反った。「なんで……分かるの!?」
「バレバレよ」と、彼女はため息をついた。「まぁ、王太子殿下に憧れるのも分かるわ。だって凄く格好いいし成績も優秀だし、それにこの国の王子様だなんて……きっと誰もが一度は殿下に夢中になるわね」
「いや……そういうことじゃなくて…………」
私は逡巡してふつりと口を噤んだ。果たしてあのことを言っていいものか、物凄く迷った。
セルゲイとグレースはたまたま私の秘密を知ったけれど、アレクセイさんからは口が裂けても喋るなってきつく言われているし……。
が…………、
ここは本当のことを打ち明けたほうがいいだろう。そうしないと、私の悩みの根本的なことをオリヴィアには理解できない。
それに、なにより彼女は一番信頼できる私の大親友なのだ。ちゃんと本当のことを話したほうがいいと思う。
……いいわよね?
でも、あとでセルゲイに「なんで喋ったんだ!」って怒られるかしら?
いえ……きっとオリヴィアだから大丈夫なはず。
私は勇気を奮い立たせて、オリヴィアの瞳をまっすぐに見つめながらトンと彼女の両肩を叩いた。
「オリヴィア……大事な話があるの」