元皇女なのはヒミツです!
9 エカチェリーナは生きている?
「ちょっと、平民さん? あんた入学式で泣いていたでしょう? 恥っずかしい~!」
「王太子殿下に見惚れていたわよ、この子」
「平民が王太子殿下のお言葉を聞くなんて生意気だわ」
式典が終わって教室に戻ると、すぐさまグレースたちが私を取り囲んだ。
私は否定しようと思ったがもうその気力もなく、なによりビーツのように赤く腫れた目は誤魔化せるわけがなく首肯するより仕方なかった。
「そうね……生まれて初めて王子様なんて身分の高い方にお目にかかれたから感動しちゃったわ」
「まぁっ! なんて図々しいの!」
「あんた、今日はたまたま王太子殿下のお姿を見ることができたけど、本来なら平民は王族の前では顔を上げたらいけないのよ?」
「わ、分かってるわよ……」
そう、私は平民。王族が目の前を通ったら過ぎ去るまで頭を下げ続けなければならない立場なのだ。 そんなこと、重々承知よ。
意気消沈した私の様子をグレースはじろじろと見てからプッと吹き出した。
「なに、あんた、もしかして王太子殿下に一目惚れしたの? でも残念ね。殿下には素晴らしい婚約者がいらっしゃるのよ?」
「王太子殿下に見惚れていたわよ、この子」
「平民が王太子殿下のお言葉を聞くなんて生意気だわ」
式典が終わって教室に戻ると、すぐさまグレースたちが私を取り囲んだ。
私は否定しようと思ったがもうその気力もなく、なによりビーツのように赤く腫れた目は誤魔化せるわけがなく首肯するより仕方なかった。
「そうね……生まれて初めて王子様なんて身分の高い方にお目にかかれたから感動しちゃったわ」
「まぁっ! なんて図々しいの!」
「あんた、今日はたまたま王太子殿下のお姿を見ることができたけど、本来なら平民は王族の前では顔を上げたらいけないのよ?」
「わ、分かってるわよ……」
そう、私は平民。王族が目の前を通ったら過ぎ去るまで頭を下げ続けなければならない立場なのだ。 そんなこと、重々承知よ。
意気消沈した私の様子をグレースはじろじろと見てからプッと吹き出した。
「なに、あんた、もしかして王太子殿下に一目惚れしたの? でも残念ね。殿下には素晴らしい婚約者がいらっしゃるのよ?」