元皇女なのはヒミツです!
セルゲイと結婚して5年がたった。
彼はリーズ国の魔法騎士団として数々の功績を上げて、私は王立魔法研究所で魔道具の開発に勤しんでいる。
そして、私たちには大切な宝物ができた――娘のアナスタシアだ。
この子は、アレクサンドル皇家よりもストロガノフ家の血を濃く受け継いだみたいで、僅か4歳にして常に同年代の殿方たちの視線を独り占めするという恐ろしい子だ。
年頃になった時のことを考えると、今から恐ろしい……。
「俺は半分本気だ。お腹の子のためにも、もっと広い屋敷に引っ越したいしな」と、セルゲイはそっと私の大きなお腹をさする。
来月、新しい命が生まれる。
私たち幸せな日々を過ごしていた。
「私、窮屈な宮廷生活はもうこりごりだわ」私も自身のお腹に手を当てた。「それに、この子たちには自由に恋愛して欲しいから」
「いや……アナは絶対に嫁に出さねぇ……!」
「もう! いつかは覚悟を決めなさいよ!」
「はぁ…………」と、セルゲイは深くため息をつく。
愛娘の未来のことを今から憂いている彼がおかしくて、私はくすくすと笑った。
彼の腕の中で、なにも知らない無垢な娘が、なにやら落ち込んでいるらしい父親の頭を撫でて慰めている。
これが、私たちの平凡で平穏な日常。
それは、これからもきっと続いていくはず。
子爵夫人の私、その子供たち……時が流れても、皆がずっと幸福な生活を送れたらいいな。
元皇女なのは、ここだけの秘密だけどね。
< 371 / 371 >
この作家の他の作品
表紙を見る
「お前を愛することは――」
「あなたを愛することはありませんわぁっ!」
キャロラインとハロルドは、初夜で互いに誓い合った。
異性として愛することはないが、貴族としての義務は果たす――と。
前世の記憶を持つキャロラインを中心に、夫のハロルド、双子の姉・ロレッタ、弟・レックスが繰り広げる、
愉快なハーバート公爵家の物語。
目指せ、『婚約破棄された転生令嬢は、異世界で前世チート無双して王太子ザマァでもう遅い!大商会のボスになってトンカツ作って薬がポーションでモフモフモフ!』ですわ〜っ!
★家族愛を軸にした話です! 恋愛要素はちょっとだけです!
★ものづくり系の話ではありません!
★タイトル&あらすじは予告なく変更する可能性があります!
★他サイト様にも投稿しています!
表紙を見る
キアラ・リグリーア伯爵令嬢は、同じ人生を繰り返していた。
彼女の最期はいつも処刑台の上。
それは婚約者のダミアーノ・ヴィッツィオ公爵令息の陰謀だった。
死んだら、また過去に戻ってくる。
その度に彼女は婚約者のことを激しく憎んで、もう愛さないと強く胸に誓っていた。
でも、何度回帰しても彼女は彼を愛してしまって、最後は必ず破滅を迎えてしまう。
キアラはもうダミアーノを愛したくなかったし、愛なんてものは信じていなかった。
――そして七回目の人生で、彼女は真実を知る。
★元サヤではありません!(ヒーローは別にいます!)
★残酷な描写があります! 該当する話にはサブタイトルに注意書きをしています!
★他サイト様にも投稿しています!
表紙を見る
クロエの最愛の母が死んで半年後、父親は愛人とその娘を侯爵家に受け入れて、彼女の生活は様変わりをした。
狡猾な継母と異母妹の企みで、彼女は居場所も婚約者も……全て奪われてしまう。
孤独に追い詰められたボロボロの彼女は、ゴースト――幽霊令嬢だと嘲笑われていた。
なにもかもを失って絶望した彼女が気が付いたら、時を逆行していた。
「今度は……派手に生きるわ!」
彼女は、継母と異母妹に負けないように、もう一度人生をやり直そうと、立ち上がった。
協力者の隣国の皇子とともに、「時間」を操り、家族と婚約者への復讐劇が今、始まる――……。
★第一章は残酷な描写があります!(該当の話はサブタイトルに注意書きをしています!)
★主人公が巻き返すのは第二章からです!
★基本的にシリアス展開で主人公が辛い目に合う場面も多いですが、ハッピーエンド確約です!
★他サイト様にも投稿しています!
この作品を見ている人にオススメ
表紙を見る
容姿端麗、文武両道、おまけに旧華族の家系天花寺家の一人娘である愛美。
政略結婚を押しつけられそうになり、人生に絶望していたところ、猫を助けようとしてうっかり死んでしまう。
お詫びに神様からプレイしていた乙女ゲームのヒロインを見守るモブキャラ「アイリーシャ」として転生させてもらえることになったのだが、転生したのはゲームの舞台より300年前。
しかも、公爵家令嬢で、王太子殿下の婚約者候補とか聞いてない!
義務はギリギリ果たすとして、存在感は消滅させたい。
なのになぜ、王太子殿下にいきなり殺されかけているのでしょう?
生きている間は、空気に徹し、聖獣と一緒に三百年後のご隠居生活目指して頑張ります。
2020年11月 KADOKAWA ジュエルブックスピュアキスより書籍化されました。
表紙を見る
私は昔から空気を読むのがうまかった。だから、悲劇のヒロインになりたい異母妹マリンの望み通り、悪役を演じている。そうしないと、マリンを溺愛している父に食事を抜かれてしまうから。
今日のマリンのお目当ては、バルゴア辺境伯の令息リオだ。
はいはい、私が頭からワインをぶっかけてあげるから、あなたたちはさっさとくっついてイチャイチャしなさいよ……と思っていたら、バルゴア令息に捕まれた私の手首がゴギッと鈍い音を出す。
悲鳴をあげるバルゴア令息。
「叔父さん、叔母さん! や、やばい!」
「えっ何やらかしたのよ、リオ!?」
そんな会話を聞いたのを最後に、あまりの痛みに私は気を失ってしまった。
表紙を見る
田舎娘のアリスは村を飛び出し
王国騎士団に飛び込んだ。
女であることがバレたら身の破滅。
細心の注意を払い、スリルある騎士生活を送っていたけれど……
秘密は突如として暴かれてしまう。
騎士団を率いるのは
凛々しく美麗な若き騎士団長。
騎士団長に処罰されるかと思いきや
夜な夜な意地悪な特訓を受ける羽目に。
「どうした。女みたいな声が漏れてるぞ。
お前は男なんだろ?
俺に触れられたくらいで心を乱すな」
純朴な田舎娘と意地悪な騎士団長の
王城ラブファンタジー。
2020.4.2.完結公開