元皇女なのはヒミツです!

「私は、リナと申します。家門はありません」と、私は答えた。

「そうか。では、君が例の特待生か。会えて嬉しいよ」

「恐れ入ります」

「特待生は数十年振りだからね。色々とやっかまれることもあるかもしれないが、負けずに頑張ってくれ」

「はい、ありがとうございます!」

「――そうだ! 良かったら、これから僕と一緒に踊らないか?」

「えぇっ!?」

 突然のフレデリック様のお誘いに頭が真っ白になって、硬直した。
 私がフレデリック様とダンスを? 夢じゃないわよね?

「折角のパーティーなんだから、楽しい思い出を作って欲しいんだ。嫌かい?」

「い、いえっ! 王太子殿下とダンスなんて、こ、光栄ですっ!」

「ありがとう。じゃあ、行こうか」
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