元皇女なのはヒミツです!
「リナ、あれは絶対なにか企んでるぞ」と、セルゲイが胡散臭そうにグレースを見ながら呟いた。
「でしょうね」
私は呆れた顔をして頷く。そんなの百も承知だわ。彼女が無条件で私を褒めるなんてあり得ない。
「いいのか?」
「狩りは得意よ。問題ないわ」
私は子供の頃から皇族専用の狩り場でお父様とお兄様に連れられて、よく狩りをしていた。そのときに魔獣との戦い方をたくさん教わったわ。こうなったら、皇帝仕込みの狩りの腕前をお披露目してあげるわよ。
その日から狩り大会に向けて早速特訓を始めた。
優勝者は国王陛下が一つだけ願いを叶えてくださるそうだ。
まぁ願いと言っても常識の範囲内でだけど、私は選ばれた人物しか見ることのできない王立図書館の古文書の閲覧をお願いしてみようと思う。もっと魔法を極めて、卒業後はそれを活かせるような仕事をしたい。
目指すは優勝!