元皇女なのはヒミツです!


「始めっ!」

 時間が来て、審判が合図をした。
 すると、中央の魔法陣から堰を切ったように魔獣が湧き出て来た。それらは大型犬くらいの大きさで、ギラギラした尖った銀色の毛は鋼のように固そうだった。
 これは闇雲に魔法を放っても強固な毛並みに跳ね返される可能性が高いわ。ならば、急所を狙うのみ。
 私は魔獣に向かって前進しながら自身の周囲に十数本の氷のナイフを出現させた。

「行きなさいっ!」

 氷のナイフは狙いを定めたように魔獣の群れに飛んで行って、

「ガアァァァァァッ!!」

 それらの目玉に突き刺さった。あっという間に十数匹の魔獣が倒れる。
 やったわ!
 ――と、
 勝利の喜びに油断していると、今度は魔獣が背後から私に襲いかかって来た。
 私は瞬時に手から細長い氷柱を出して魔獣の喉元に突き刺す。一撃。よし、この調子!
 魔獣は無尽蔵に湧き出てくる。これは瞬発力と判断力が試されるわね。……気を引き締めてかからないと!
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