元皇女なのはヒミツです!
21 狩り大会③
大急ぎで魔法を唱えようとしても、もう間に合わない。
最悪の事態が頭の中を過ぎった。
やられる――……、
「リナ嬢っ!」
そのときだった。
にわかに目の前が眩しくなって、思わず目を閉じた。
「大丈夫?」
再び目を開けると、フレデリック様が私に手を差し伸べていた。
「フ……王太子殿下……!」
ただただ嬉しくて、泣きそうになる。でも、唇を噛んでぐっと堪えた。
駄目よ、ここで涙を流したらグレースたちに馬鹿にされてしまうわ。私は負けない。
「た、助けてくださって、ありがとうございました」
「とんでもない。――ところで、魔獣の動きがおかしいね」と、フレデリック様は眉をひそめた。
「はい、突然私のほうに向ってきて……」
「一度中断したほうが良さそうだな」
フレデリック様は審判に向かって大きく両手を振った。審判も異変に気付いているようで頷いてから中央の魔法陣を止めようと動いた。
最悪の事態が頭の中を過ぎった。
やられる――……、
「リナ嬢っ!」
そのときだった。
にわかに目の前が眩しくなって、思わず目を閉じた。
「大丈夫?」
再び目を開けると、フレデリック様が私に手を差し伸べていた。
「フ……王太子殿下……!」
ただただ嬉しくて、泣きそうになる。でも、唇を噛んでぐっと堪えた。
駄目よ、ここで涙を流したらグレースたちに馬鹿にされてしまうわ。私は負けない。
「た、助けてくださって、ありがとうございました」
「とんでもない。――ところで、魔獣の動きがおかしいね」と、フレデリック様は眉をひそめた。
「はい、突然私のほうに向ってきて……」
「一度中断したほうが良さそうだな」
フレデリック様は審判に向かって大きく両手を振った。審判も異変に気付いているようで頷いてから中央の魔法陣を止めようと動いた。