元皇女なのはヒミツです!
だが……、
「どうしたんだ?」
会場がざわめき立つ。魔法使いたちが何度停止を試みても、魔法陣は依然として魔獣を会場に放ち続けていた。
そして、
「ガァァァァァァァッ!!」
それらの魔獣全てが私をめがけてどっと突進してきた。どの魔獣も目が濁って狂気を帯びている。
私とフレデリック様は再び魔法で応戦した。氷魔法を打って、打って、打ち込んだ。
だが、魔獣たちは止まらない。まるで大波のようにどどうと寄ってきては、容赦なく私に牙を剥く。私はどんどん息が上がる。頭も鈍る。このまま気絶しそうだ。
「……リナ嬢、まだ戦えるか?」
そのとき、隣で戦っていたフレデリック様が尋ねた。
「は、はいっ……なんとか……!」と、私は息も絶え絶えに答える。
「それは良かった。実はそろそろ僕も限界でね、ここで一気に方を付けようと思う。手伝ってくれるかい?」
「もちろんですっ!」