香澄くん、ごちそうさま〜吸血鬼の幼なじみと友達以上恋人未満?〜
香澄くんのお姉さん
「ただいま〜」
「こんばんは、お邪魔します」
放課後、私は香澄くんの家に足を踏み入れていた。
昨日、本の続きを貸してくれるって約束したのに、忘れてきちゃうんだから。
どうせ家も近くだから、帰り道そのまま取りに寄らせてもらった。
吸血鬼といえば洋館に住んでいるイメージがあるけれど、香澄くん家はごく普通の一軒家。
マンション暮らしの私からすれば二階があるっていうだけでずいぶん立派に見えるけど、部屋数とか考えたらたぶんどっこいどっこいだと思う。
「いらっしゃい〜」
リビングに入ると、出迎えてくれたのは香澄くんのお姉さんだった。
「楓さん! ご無沙汰してます。紅葉ちゃんも、こんにちわ」
リビングのテーブルに腰掛けていた楓さんの腕のなかには赤ちゃんがいた。
楓さんはもう結婚して香澄くんとはもう一緒に暮らしていないんだけど、赤ちゃんがいて大変だから旦那さんが出張でいないときには泊まりに来てたりするみたい。
今日お家に寄らせてもらったのは、楓さんと紅葉ちゃんがいるって聞いたのも大きい。
ぷくぷくほっぺの紅葉ちゃんは、まんまるおめめで私をじつと見ていて、かわいい!
「また香澄に血をあげに寄ってくれたの? いつもありがと、ね‥‥って! 今日もしかしてあの日!?」
視線が宙をさまよったかと思うと、はたっと私を見て止まる。
「香澄! ダメでしょ、そんな日に血をもらっちゃあ! ただでさえ貧血なのに倒れたらどうすんの!」
香澄くんのお姉さんも、もちろん吸血鬼。
吸血鬼だから、お姉さんももちろん血の匂いには敏感だった。
「わかってるよ。今日は本貸すだけ」
香澄くんのデリカシーのなさと気づかいは、楓さん由来なんだろうな。
楓さんは女同士だけど、香澄くんは男の子なのに、おんなじようにされると困る。
「そう、ならいいわ! ほら、香澄。あったかいお茶淹れてあげて。ソファーのとこにブランケットもあるから」
楓さんは座って座ってと向かいの席を私にすすめながら、香澄くんに指示を飛ばす。
「香澄くん、いいよ。本もらったらすぐ帰るつもりだったし」
椅子を引いてブランケットを取りに行った香澄くんに声をかけるが、戻ってくるとそのまま椅子に座るよううながされる。
「せっかくだから、姉さんの話し相手になってあげて。紅葉がいるからあんま出歩けないし、話し相手に飢えてるから」
そう言われると断りにくい。
香澄くんにうながされるまま椅子に腰掛けると、膝にふんわりブランケットを乗せられる。
「またハーブティーでいい?」
「おかまいなく‥‥」
そう返事をしても、香澄くんはキッチンに行ってしまう。
「紅葉に会うのは二回目かな?」
「はい。紅葉ちゃん、久しぶり。おぼえてるかな〜?」
ひらひら〜と手をふってみせても、きょとんとしてる。
そこがまた可愛い!
「はい、どうぞ」
そう言って香澄くんが出してきたのは、またあのハーブティー。
もともとこのハーブティーは、楓さん愛用の品だったらしい。
楓さんが家を出てからも買い足して、こうして出してくれている。
「本、探してくるから待ってて」
そう言って香澄くんは二階に上がっていった。
小学生ぐらいまでは部屋で遊んだりもしていたけど、中学に上がったころからそれもなくなってしまった。
少しは、異性として意識してくれてるのかな。
でも、香澄くんのスキンシップの多さは意識されてない気がする‥‥
「こんばんは、お邪魔します」
放課後、私は香澄くんの家に足を踏み入れていた。
昨日、本の続きを貸してくれるって約束したのに、忘れてきちゃうんだから。
どうせ家も近くだから、帰り道そのまま取りに寄らせてもらった。
吸血鬼といえば洋館に住んでいるイメージがあるけれど、香澄くん家はごく普通の一軒家。
マンション暮らしの私からすれば二階があるっていうだけでずいぶん立派に見えるけど、部屋数とか考えたらたぶんどっこいどっこいだと思う。
「いらっしゃい〜」
リビングに入ると、出迎えてくれたのは香澄くんのお姉さんだった。
「楓さん! ご無沙汰してます。紅葉ちゃんも、こんにちわ」
リビングのテーブルに腰掛けていた楓さんの腕のなかには赤ちゃんがいた。
楓さんはもう結婚して香澄くんとはもう一緒に暮らしていないんだけど、赤ちゃんがいて大変だから旦那さんが出張でいないときには泊まりに来てたりするみたい。
今日お家に寄らせてもらったのは、楓さんと紅葉ちゃんがいるって聞いたのも大きい。
ぷくぷくほっぺの紅葉ちゃんは、まんまるおめめで私をじつと見ていて、かわいい!
「また香澄に血をあげに寄ってくれたの? いつもありがと、ね‥‥って! 今日もしかしてあの日!?」
視線が宙をさまよったかと思うと、はたっと私を見て止まる。
「香澄! ダメでしょ、そんな日に血をもらっちゃあ! ただでさえ貧血なのに倒れたらどうすんの!」
香澄くんのお姉さんも、もちろん吸血鬼。
吸血鬼だから、お姉さんももちろん血の匂いには敏感だった。
「わかってるよ。今日は本貸すだけ」
香澄くんのデリカシーのなさと気づかいは、楓さん由来なんだろうな。
楓さんは女同士だけど、香澄くんは男の子なのに、おんなじようにされると困る。
「そう、ならいいわ! ほら、香澄。あったかいお茶淹れてあげて。ソファーのとこにブランケットもあるから」
楓さんは座って座ってと向かいの席を私にすすめながら、香澄くんに指示を飛ばす。
「香澄くん、いいよ。本もらったらすぐ帰るつもりだったし」
椅子を引いてブランケットを取りに行った香澄くんに声をかけるが、戻ってくるとそのまま椅子に座るよううながされる。
「せっかくだから、姉さんの話し相手になってあげて。紅葉がいるからあんま出歩けないし、話し相手に飢えてるから」
そう言われると断りにくい。
香澄くんにうながされるまま椅子に腰掛けると、膝にふんわりブランケットを乗せられる。
「またハーブティーでいい?」
「おかまいなく‥‥」
そう返事をしても、香澄くんはキッチンに行ってしまう。
「紅葉に会うのは二回目かな?」
「はい。紅葉ちゃん、久しぶり。おぼえてるかな〜?」
ひらひら〜と手をふってみせても、きょとんとしてる。
そこがまた可愛い!
「はい、どうぞ」
そう言って香澄くんが出してきたのは、またあのハーブティー。
もともとこのハーブティーは、楓さん愛用の品だったらしい。
楓さんが家を出てからも買い足して、こうして出してくれている。
「本、探してくるから待ってて」
そう言って香澄くんは二階に上がっていった。
小学生ぐらいまでは部屋で遊んだりもしていたけど、中学に上がったころからそれもなくなってしまった。
少しは、異性として意識してくれてるのかな。
でも、香澄くんのスキンシップの多さは意識されてない気がする‥‥