たとえ君の記憶がなくなっても。



なんの記憶をなくしたのかも知りたいけど、私にはもう一つ気になることがある。



それは、医者の許可を得て病院の外に散歩に行き、帰ってきたときのこと。



病室の床頭台に白い小さな封筒が置いてあった。



差出人も受取人も書かれていない白い封筒。



恐る恐る開けてみると、二つ折りされた黒い紙が出てきた。



警戒心を覚えつつも好奇心から折り目を開く。


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