愛されたいと願って
chapter*1
白虎の総長
【茉夜side】
私・日住茉夜はいつもほっとかれていた。
「あの、お母さん……」
「ごめんけど、今忙しいの。後にしてもらえる?」
兄や妹の話は聞くのに、私の話は聞いてくれない。
これが私の日常だった。
「まぁ、凄いわね。深夜ちゃん」
「偉いぞ、玲夜は俺達の自慢の息子だ」
兄の名前は玲夜。
妹の名前は深夜。
こういう兄や妹への賛辞を聞くたびに私は疎外感を覚えた。
私は取り柄がないから、仕方ないのかもしれないけど……
「お母さん、私あのぬいぐるみがほしい!」
「まぁ、いいわよ」
そんな妹が羨ましくて……
「あの、お母さん。私もあのぬいぐるみがほしい」
「駄目よ。我慢しなさい」
でも、私には買ってくれなかった。
おかげで私の部屋は質素で、物がほとんどない。