殺意のピアス
食器を片付けてエプロンを外した。


自室から着替えを出してお風呂場へ行く。

「先にお風呂に入るね」
と裕太に声を掛けてリビングのドアを閉めた。



誕生日。

ソロキャンプ。

場所は言わない。

10年目。


・・・・ナナさん?

まだ続いてんの?




裕太に対する愛情が今までと違っていることに気が付いた。

どうしてという思いはなかった。
愛情はきっともうないのだろう。


それよりも気持ち悪さと、怒りと憎しみで胸の中がもやもやする。

バシャンッ。

お湯に漬かったまま、思いきり顔にお湯をかけた。



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