出戻り王女の恋愛事情〜人質ライフは意外と楽しい
「あなたのことは好きです。あなたとのことは後悔しておりません。でも、私はボルトレフの総領の妻になる素養はありません」
「素養? 俺の伴侶になる素養とは、なんだ? あなたが女で俺が男で、互いに好意を持っている。それではだめなのか? それとも、子持ちは嫌か?」
「そ、そんなこと、少しもあなた自身のことを嫌とは思っていません。お子様がいることも、問題ではありません。むしろ、お子様たちとあなたの関係は好ましく思います」
「では、ボルトレフの総領の伴侶という地位が嫌なのか?」
「それも、嫌だとかではなく、そのように考えたことがないのです」
「俺はボルトレフの総領を辞めるわけにはいかない。だが、あなたに総領の伴侶として難しいことをしろと言っているのではない。俺の側にいて、俺をただのユリウスとして、見てくれる人を求めているだけだ」
「ただの……ユリウス?」
意外な言葉にジゼルが問い返す。それに対してユリウスは頷いた。
「あなたを抱いた俺は、ボルトレフの総領だったか? どこかに総領ぶったところがあったか?」
そう問われ、ジゼルはふるふると首を横に振った。
「あなたは……私のことをまず考えて、私があなたを受け入れられるように、尽くしてくださいました」
「いや、そんな聖人君子ではない。あなたに触れたい。あなたの中に己の欲の塊を突き立てたい、あなたの乱れた姿を見て、その可憐な唇から、快感に喘ぐ声を聞きたかっただけだ」
自分のためでもあるのだと、ユリウスは言い切った。
「それでも、それが出来たのはあなたが私のことを優しく扱ってくれたからです。あ、あんな……あんな快楽があるのだと、教えてくれ体験させてくれたのは、あなたの思いやりだと思っています」
「気に入ってくれたと、言うことか?」
「気に……ええ。あなたに触れられるのは心地良くて、私もあれ一度きりなのは残念だと……おも……思います」
何度でも体験したいと、ジゼルは照れながらも素直な気持ちを告げた。
「そんな可愛いことを言ってくれるのか。お陰でまた興奮してきた」
「え?」
ジゼルが驚いて彼を見ると、すっとシーツを太もも辺りまで下ろす。すると、熱り立ったユリウスのものがそこにあった。
ジゼルはそれを無言で見つめる。なぜまた彼のあそこが復活したのだろうか。
「一応言っておくが、俺が特別なわけではない。個人差はあるが、他の男もほぼこんなものだ」
「そ、そうなのですね」
ジゼルの考えが見透かされているようだ。
「あなたの基準がすべて大公だというのはわかる。しかし、あなたの言動から察すると、大公こそが稀なようだ。だからと言って彼を蔑んだり馬鹿にするわけではないが」
「ドミニコが……彼のほうが……」
「そうだ。だが、ここにいない者のことを気にすることはない。するだけ無駄だ」
「む、無駄?!」
「そう、大公のことなど考えるだけ、無駄だ。それより俺とあなたのこれからについて考えるほうが遥かに有益だと思わないか?」
「あなたと……私のこれから」
ユリウスは身を寄せて、自分の熱り立ったものをジゼルの蜜口近くに当てた。
あからさまな誘惑。無言で見つめるその瞳には、滾る欲望が見えている。
それだけでジゼルの体に火照りが生まれ、敏感な場所がジワリと潤い、肌が粟立った。
「わ、私と…あなたの……これから?」
「そうだ。取りあえずは喫緊の問題として、こいつを収めさせてくれると嬉しいのだが」
「お、収める……とは?」
ドギマギしながらも、ジゼルは期待に胸が膨らむ。
「あ……!」
ジゼルが戸惑っているうちに、ユリウスの手が湿り気を帯びた場所に触れた。
「ほら、ここはもう準備を始めている。体は正直に反応しているな」
「あ、は、……あ……」
指がズブリと滑り込む。体が震え、声が漏れる。
「ボルトレフがどうとかではなく、男と女として、求め合う。俺をただの男として、見てくれればいい。あなたの色香に惑わされた男の、ささやかな願いを叶えてほしい」
「い、色……香。そんなもの……わ、私には……」
容姿は褒められることはあるが、女としてそんなふうに直接言われたことはジゼルにはない。
湧き上がる欲望にボーッとなる頭で、何とか言葉を絞り出す。
「自覚しろ。あなたはいい女だ。硬い蕾が開けば、これ以上ない芳香を放つ大輪の花だ。男はそれに抗いようもなく引き寄せられる」
首筋に軽く歯を当てられ、ジゼルはそれたけでジュンと奥から蜜が流れてくるのを感じた。
シーツに擦れて乳首も敏感に反応する。
潤む瞳でユリウスを見つめ、必死で目で訴える。
(お願い、この熱を冷まして)
考えなければならないことは、たくさんあった。
ユリウスとこうなったことを、メアリーや、ケーラたちに知られたら、どんな顔をすればいいのか。
父たちは何て思うだろうか。
「人質」として来たジゼルを、意外にも温かく迎えてくれた人達だが、ボルトレフの総領の相手として見たとき、彼らの彼女を見る目は、がらりと変わってしまうのではないだろうか。
しかし、ユリウスがボルトレフの総領としてではなく、ただの男としてジゼルの側にいたいと思うように、ジゼルもエレトリカの王女ではなく、一人の女として求められたいと思う。
「ユリウス、まだ私は、ボルトレフの総領としてのあなたに応える自信はありません」
「わかっている」
「でも、あなたの腕の中はとても居心地が良くて、この腕から抜け出したくないと思う。私……わがままで都合のいいことを言っていますね」
「この程度のわがままなど、俺の中ではわがままの内に入らない。それも俺にはとてつもなく可愛くて愛おしく思える」
「ユリ……んん」
まだ話したいと思うことはあったかも知れない。しかし、そんなジゼルの口をユリウスが唇で塞いだため、それ以上は何も言えなかった。
「素養? 俺の伴侶になる素養とは、なんだ? あなたが女で俺が男で、互いに好意を持っている。それではだめなのか? それとも、子持ちは嫌か?」
「そ、そんなこと、少しもあなた自身のことを嫌とは思っていません。お子様がいることも、問題ではありません。むしろ、お子様たちとあなたの関係は好ましく思います」
「では、ボルトレフの総領の伴侶という地位が嫌なのか?」
「それも、嫌だとかではなく、そのように考えたことがないのです」
「俺はボルトレフの総領を辞めるわけにはいかない。だが、あなたに総領の伴侶として難しいことをしろと言っているのではない。俺の側にいて、俺をただのユリウスとして、見てくれる人を求めているだけだ」
「ただの……ユリウス?」
意外な言葉にジゼルが問い返す。それに対してユリウスは頷いた。
「あなたを抱いた俺は、ボルトレフの総領だったか? どこかに総領ぶったところがあったか?」
そう問われ、ジゼルはふるふると首を横に振った。
「あなたは……私のことをまず考えて、私があなたを受け入れられるように、尽くしてくださいました」
「いや、そんな聖人君子ではない。あなたに触れたい。あなたの中に己の欲の塊を突き立てたい、あなたの乱れた姿を見て、その可憐な唇から、快感に喘ぐ声を聞きたかっただけだ」
自分のためでもあるのだと、ユリウスは言い切った。
「それでも、それが出来たのはあなたが私のことを優しく扱ってくれたからです。あ、あんな……あんな快楽があるのだと、教えてくれ体験させてくれたのは、あなたの思いやりだと思っています」
「気に入ってくれたと、言うことか?」
「気に……ええ。あなたに触れられるのは心地良くて、私もあれ一度きりなのは残念だと……おも……思います」
何度でも体験したいと、ジゼルは照れながらも素直な気持ちを告げた。
「そんな可愛いことを言ってくれるのか。お陰でまた興奮してきた」
「え?」
ジゼルが驚いて彼を見ると、すっとシーツを太もも辺りまで下ろす。すると、熱り立ったユリウスのものがそこにあった。
ジゼルはそれを無言で見つめる。なぜまた彼のあそこが復活したのだろうか。
「一応言っておくが、俺が特別なわけではない。個人差はあるが、他の男もほぼこんなものだ」
「そ、そうなのですね」
ジゼルの考えが見透かされているようだ。
「あなたの基準がすべて大公だというのはわかる。しかし、あなたの言動から察すると、大公こそが稀なようだ。だからと言って彼を蔑んだり馬鹿にするわけではないが」
「ドミニコが……彼のほうが……」
「そうだ。だが、ここにいない者のことを気にすることはない。するだけ無駄だ」
「む、無駄?!」
「そう、大公のことなど考えるだけ、無駄だ。それより俺とあなたのこれからについて考えるほうが遥かに有益だと思わないか?」
「あなたと……私のこれから」
ユリウスは身を寄せて、自分の熱り立ったものをジゼルの蜜口近くに当てた。
あからさまな誘惑。無言で見つめるその瞳には、滾る欲望が見えている。
それだけでジゼルの体に火照りが生まれ、敏感な場所がジワリと潤い、肌が粟立った。
「わ、私と…あなたの……これから?」
「そうだ。取りあえずは喫緊の問題として、こいつを収めさせてくれると嬉しいのだが」
「お、収める……とは?」
ドギマギしながらも、ジゼルは期待に胸が膨らむ。
「あ……!」
ジゼルが戸惑っているうちに、ユリウスの手が湿り気を帯びた場所に触れた。
「ほら、ここはもう準備を始めている。体は正直に反応しているな」
「あ、は、……あ……」
指がズブリと滑り込む。体が震え、声が漏れる。
「ボルトレフがどうとかではなく、男と女として、求め合う。俺をただの男として、見てくれればいい。あなたの色香に惑わされた男の、ささやかな願いを叶えてほしい」
「い、色……香。そんなもの……わ、私には……」
容姿は褒められることはあるが、女としてそんなふうに直接言われたことはジゼルにはない。
湧き上がる欲望にボーッとなる頭で、何とか言葉を絞り出す。
「自覚しろ。あなたはいい女だ。硬い蕾が開けば、これ以上ない芳香を放つ大輪の花だ。男はそれに抗いようもなく引き寄せられる」
首筋に軽く歯を当てられ、ジゼルはそれたけでジュンと奥から蜜が流れてくるのを感じた。
シーツに擦れて乳首も敏感に反応する。
潤む瞳でユリウスを見つめ、必死で目で訴える。
(お願い、この熱を冷まして)
考えなければならないことは、たくさんあった。
ユリウスとこうなったことを、メアリーや、ケーラたちに知られたら、どんな顔をすればいいのか。
父たちは何て思うだろうか。
「人質」として来たジゼルを、意外にも温かく迎えてくれた人達だが、ボルトレフの総領の相手として見たとき、彼らの彼女を見る目は、がらりと変わってしまうのではないだろうか。
しかし、ユリウスがボルトレフの総領としてではなく、ただの男としてジゼルの側にいたいと思うように、ジゼルもエレトリカの王女ではなく、一人の女として求められたいと思う。
「ユリウス、まだ私は、ボルトレフの総領としてのあなたに応える自信はありません」
「わかっている」
「でも、あなたの腕の中はとても居心地が良くて、この腕から抜け出したくないと思う。私……わがままで都合のいいことを言っていますね」
「この程度のわがままなど、俺の中ではわがままの内に入らない。それも俺にはとてつもなく可愛くて愛おしく思える」
「ユリ……んん」
まだ話したいと思うことはあったかも知れない。しかし、そんなジゼルの口をユリウスが唇で塞いだため、それ以上は何も言えなかった。