【完結】婚約破棄されて嫁いだ先の旦那様は、結婚翌日に私が妻だと気づいたようです
第26話 なぜ私は歌いたいのか?(1)
ゼシフィードの手によって王宮の地下室に閉じ込められていたロラを助け出したエリーヌたちは、無事にエマニュエル邸へと戻ってきていた。
意識を失い非常に危険な状態であるロラの治療は数時間に及んだ。
医療知識のあるロザリアが彼女を診察していく。
幸いにも骨や臓器に異常はなかったが、栄養失調がひどくしばらくは療養が必要ということになった。
エリーヌは毒の研究をしつつ、寝る時間もわずかにしてロラの看病もした。
うとうととなりながらも、高熱で苦しむ彼女の汗を拭ったり、ベッド脇で眠ったり、ロラが目を覚ますのを待った──
──彼女がこの家で看病されてから5日目。
まだ日が昇ったばかりの朝日が差し込み、エリーヌはすやすやと眠っている。
その身体の半身をベッドに預けており、目元にはうっすらとクマができていた。
「エリーヌ……」
「ん……」
「エリーヌ」
なんだか懐かしい柔らかい声色に呼び起こされて目を開けてみると、ベッドで座っている親友の姿があった。
「ん……?」
「もう、相変わらず寝起きが悪いのね」
「──っ!! ロラっ!!」
意識を失い非常に危険な状態であるロラの治療は数時間に及んだ。
医療知識のあるロザリアが彼女を診察していく。
幸いにも骨や臓器に異常はなかったが、栄養失調がひどくしばらくは療養が必要ということになった。
エリーヌは毒の研究をしつつ、寝る時間もわずかにしてロラの看病もした。
うとうととなりながらも、高熱で苦しむ彼女の汗を拭ったり、ベッド脇で眠ったり、ロラが目を覚ますのを待った──
──彼女がこの家で看病されてから5日目。
まだ日が昇ったばかりの朝日が差し込み、エリーヌはすやすやと眠っている。
その身体の半身をベッドに預けており、目元にはうっすらとクマができていた。
「エリーヌ……」
「ん……」
「エリーヌ」
なんだか懐かしい柔らかい声色に呼び起こされて目を開けてみると、ベッドで座っている親友の姿があった。
「ん……?」
「もう、相変わらず寝起きが悪いのね」
「──っ!! ロラっ!!」