【完結】婚約破棄されて嫁いだ先の旦那様は、結婚翌日に私が妻だと気づいたようです
「ええ、これ、ロザリアから渡しておいてくれる?」
「嫌です」
「え?」
そう言って店主に綺麗に包んでもらった贈り物を突き返される。
エリーヌはまたよくないことをしたのかと思ったが、そういう返答ではなかった。
「これはエリーヌ様からお渡しください。それと、こちらも」
そう言って大事にしまっておいたのか、胸元からしわくちゃになった紙を取り出して渡す。
「これ……」
「僭越ながら、ゴミではないと判断してとっておきました」
それは今朝方アンリに向けて書いた手紙だった。
結局納得がいかずにそのまま捨ててしまったのだが、それをロザリアは見つけてとっておいたのだ。
(内容があまりにも自分語りになってしまったと思ったけれど、そうよね。素性も知らない人間が妻なのも嫌よね)
「ありがとう、ロザリア、帰ったらアンリ様に渡しに行くわ」
「ええ、きっと今アンリ様はエリーヌ様からの贈り物なら飛んで喜びますわ」
「そうかしら……」
「ええ、そうですわ」
いつものように優しくて柔らかな微笑みを向けて、エリーヌに言った。
(受け取ってもらえるかしら)
「嫌です」
「え?」
そう言って店主に綺麗に包んでもらった贈り物を突き返される。
エリーヌはまたよくないことをしたのかと思ったが、そういう返答ではなかった。
「これはエリーヌ様からお渡しください。それと、こちらも」
そう言って大事にしまっておいたのか、胸元からしわくちゃになった紙を取り出して渡す。
「これ……」
「僭越ながら、ゴミではないと判断してとっておきました」
それは今朝方アンリに向けて書いた手紙だった。
結局納得がいかずにそのまま捨ててしまったのだが、それをロザリアは見つけてとっておいたのだ。
(内容があまりにも自分語りになってしまったと思ったけれど、そうよね。素性も知らない人間が妻なのも嫌よね)
「ありがとう、ロザリア、帰ったらアンリ様に渡しに行くわ」
「ええ、きっと今アンリ様はエリーヌ様からの贈り物なら飛んで喜びますわ」
「そうかしら……」
「ええ、そうですわ」
いつものように優しくて柔らかな微笑みを向けて、エリーヌに言った。
(受け取ってもらえるかしら)