【完結】婚約破棄されて嫁いだ先の旦那様は、結婚翌日に私が妻だと気づいたようです
第9話 一日遅れの乾杯
夕食の席に向かうために部屋を後にしたエリーヌは、少し歩いた廊下でつまづいた。
「あっ!」
危うく転びそうになったところをなんとか踏ん張って耐える。
何か石でも転がっているのか、と思ったが廊下は隅々まで綺麗にされており、そのようなものは見当たらない。
(何かが引っかかったような気がしたんだけど……)
足に違和感を覚えたエリーヌは辺りをよく観察してみる。
すると、廊下の壁にわずかなズレがあり、そこに足を引っかけてしまったようだった。
(壁の継ぎ目?)
年季が入った屋敷でもあったため、何かの拍子に壁にガタがきてしまったのかもしれない。
そう思っていた矢先、後ろから声をかけられる。
「エリーヌ様、どうなさいましたか?」
「ディルヴァール」
アンリの研究室のほうからやって来たディルヴァールは、両手に何冊もの本と分厚い書類の束を抱えている。
「お仕事お疲れ様です」
「ありがとうございます。夕食に向かわれる途中でしたか?」
「はい、ただ、ここの壁が壊れているのが気になって……」
そう言いながら先程つまづいた壁を指さす。
「あっ!」
危うく転びそうになったところをなんとか踏ん張って耐える。
何か石でも転がっているのか、と思ったが廊下は隅々まで綺麗にされており、そのようなものは見当たらない。
(何かが引っかかったような気がしたんだけど……)
足に違和感を覚えたエリーヌは辺りをよく観察してみる。
すると、廊下の壁にわずかなズレがあり、そこに足を引っかけてしまったようだった。
(壁の継ぎ目?)
年季が入った屋敷でもあったため、何かの拍子に壁にガタがきてしまったのかもしれない。
そう思っていた矢先、後ろから声をかけられる。
「エリーヌ様、どうなさいましたか?」
「ディルヴァール」
アンリの研究室のほうからやって来たディルヴァールは、両手に何冊もの本と分厚い書類の束を抱えている。
「お仕事お疲れ様です」
「ありがとうございます。夕食に向かわれる途中でしたか?」
「はい、ただ、ここの壁が壊れているのが気になって……」
そう言いながら先程つまづいた壁を指さす。