【完結】婚約破棄されて嫁いだ先の旦那様は、結婚翌日に私が妻だと気づいたようです
普段の彼とはまた違う、整った顔立ち故にその真剣さ漂う様子がより緊張感を増していた。
エリーヌは自分から求めるのではなく、彼が話し始めるのをじっと待つ。
そうして時計の針がカチッと鳴った後、アンリは両手を絡めて膝に肘をついてその沈黙を破った。
「ルイスの部屋に行ったのかい?」
「はい、たまたま壁の扉を開けてしまい、入ってしまいました。申し訳ございません」
「いや、謝る必要はないよ。いずれ話そうと思っていた。遅くなってしまってごめん」
彼はエリーヌに膝を向けると、深々と謝罪をした。
「しばらく会っていないんだ。彼には。彼に合わせる顔がなくてね」
アンリはエリーヌの青い瞳を見つめると、少しだけ笑った。
「どこまで聞いたの?」
「ルイスさんの目の事。それから、ご両親の事。裏庭にあるお墓もご両親のものだって」
「そうか、あの子は君を信頼して話したんだね」
アンリは少し嬉しそうな表情を浮かべる。
その顔は家族を思いやる顔で、そして兄の顔のようにエリーヌには思えた。
『どうか兄さんを救ってください』
彼の懇願するような言葉が彼女の脳内に流れる。
エリーヌは自分から求めるのではなく、彼が話し始めるのをじっと待つ。
そうして時計の針がカチッと鳴った後、アンリは両手を絡めて膝に肘をついてその沈黙を破った。
「ルイスの部屋に行ったのかい?」
「はい、たまたま壁の扉を開けてしまい、入ってしまいました。申し訳ございません」
「いや、謝る必要はないよ。いずれ話そうと思っていた。遅くなってしまってごめん」
彼はエリーヌに膝を向けると、深々と謝罪をした。
「しばらく会っていないんだ。彼には。彼に合わせる顔がなくてね」
アンリはエリーヌの青い瞳を見つめると、少しだけ笑った。
「どこまで聞いたの?」
「ルイスさんの目の事。それから、ご両親の事。裏庭にあるお墓もご両親のものだって」
「そうか、あの子は君を信頼して話したんだね」
アンリは少し嬉しそうな表情を浮かべる。
その顔は家族を思いやる顔で、そして兄の顔のようにエリーヌには思えた。
『どうか兄さんを救ってください』
彼の懇願するような言葉が彼女の脳内に流れる。